キウイの基礎知識

キウイの名前の由来は、ニュージーランドに生息の飛べない鳥”キウイ(Kiwi)”という鳥からきているのは、既にご存知の方も多いはずです。

姿は、茶色の短い毛に覆われ、「キウィー、キウィー」と鳴きます。

本来、ニュージーランドにあったものではなく、1904年に中国の旅行者によってうずくまった猿という意味の「彌猴桃(ビトウコウ)」持ち込まれたのが始まりだといわれます。

この「ビトウコウ」は、マタタビ科の植物で、日本の「サルナシ」と同じ、マタタビ科の植物で、中国では消化器系の漢方薬として利用されていたそうです。

その時はチャイニーズ・グーズベリーと呼ばれ、ニュージーランドの気候風土が合ったのか、生育も良いので品種改良の結果、現在のような形で流通するようになりました。

1950年代になると、米中関係が悪化したことから、急遽「キウイフルーツ」に名前を変更しました。

1960年の頃、ミカンの転換作物として注目を浴び始め、日本への輸出が本格化したのが1965年頃で、ちなみに「9月1日」はキウイの日」だそうです。
美味しいキウイを食べるために買ったのに、味がいまいちで失敗したなと思ってしまった事ありませんか。

後悔しないように、選ぶときのコツを知っていたら参考になると思います。

キウイを買うときは、楕円形で、皮の色が明るい薄茶色で、表面のうぶ毛がまんべんなくきれいに揃っているものを選びます。

このうぶ毛が、部分的に禿げているものは、鮮度がおちている可能性があります。

見た目は、きれいな俵の形でずんぐりと太くて大きいもの、色は濃すぎるものよりも明るい薄茶色のものがよいです。

硬さは、硬いものが新鮮だと思う人もいますが、この時点では、まだ酸味が強く酸っぱいです。

ポイントは頭とお尻を掴んで少しへこむ感じで、弾力性があるものがおすすめです。

この時、独特の芳香を放っていれば、食べ頃です。

果皮に傷があるものまた、花のついていたおしり部分にしわのあるものは避けます。

うっかり、まだ硬いキウイを買ってしまったのなら、リンゴやバナナなどと一緒に冷蔵庫で2、3日保管すると柔らかくなり、美味しく食べられるでしょう。
キウイフルーツは、1本では、実のならない木です。

その為には、摘果したり、受粉したりのほか、管理作業をする必要があります。

美味しいキウイフルーツが市場に出回るまでには、農家さんの大変な苦労を見てみましょう。

1月/枝葉の茂りすぎを防ぐ為に、余分な枝を剪定します。

通風・日当たりを良くなります。

4月/藤棚を使いツタを上手くはわせます。

5月/ 実の大きさがピンポン球大の頃に、余分な蕾を取り除きます。

オス樹による自然受粉も可能ですが、より確実に受粉を行うために雌花の柱頭に花粉をつけ受粉させる。

人口受粉を行って行きます。

粉末受粉と液体受粉の2通りがありますが、液体受粉の方が雨天時にも受粉作業をする事ができる為、作業も早くなりますので、この方法をとるところが多いです。

但し、低温に弱いなどの欠点もありますので、地方によって使い分けます。

又、この時期には、防虫の作業をします。

6月/追肥しますが、栄養が集中し美味しい実がなるように摘実する。

7月・8月/乾燥する時期なので灌水しなから、多湿に注意する。

2回目の防虫・防除をする。

10月・11月/キウイフルーツを収穫して、追肥する。

このほかに、施肥前に最低、年4回の草刈 を行います。
キウイフルーツは、収穫時期に収穫しても、そのままでは美味しくないので食べられません。

追熟という、一定期間、保管することにより美味しく食べられます。

果物は、旬の時期のものが栄養が抱負で一番美味しいといわれていますが、キウイは、季節感がなく、食べ頃が分かりにくいフルーツと思われがちです。

実は、キウイの先祖は「サルナシ」ですから、他の洋ナシなどと同様追熟する果実です。

つまり、収穫時期に収穫しても成熟していないために、美味しくないので、保管することにより熟させると美味しくなるのです。

ですから、収穫後もしばらくは市場に出回っています。

国内産のキウイフルーツの収穫は10月~11月頃に行われ、ほとんどのものは一旦冷蔵庫等に貯蔵され出荷されます。

貯蔵されたものが、市場に出回るのは12月~翌年4月で、この時が旬という事になります。

詳しく分けると、ニュージーランド産は4~11月、一般的なゼスプリは11月初旬から12月中旬、静岡産のレインボーレッド等は9月下旬~11月末頃まで、愛媛県のレッドキウイは10月中旬から12月初旬、香川県の香緑は11月初旬から12月初旬です。

ただ、それぞれの食べ頃の時期というのは上にあげた収穫時期から一ヶ月程度まででしょうが、すぐに食べないのであれば、追熟させるのでしばらくは旬の美味しさを味わえるでしょう。
キウイが、日本に来た頃は、ベジタブルフルーツとしてでした。

くだものというより、サラダ感覚だったのですね。

主に、ニュージーランドから輸入されていますが、温暖な気候で育ったキウイは、実際どのくらいの栄養があるのでしょう。

主な栄養成分には、ビタミンC・カリウム ・食物繊維・葉酸・カルシウム・ビタミンE等があります。

ビタミンだけをみても、100g中に約70mg前後と同じくらいの大きさのみかんと比べると、ビタミンCがみかんの2倍あります。

これは風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があり、同時に食物繊維も豊富手で、果物の中ではトップクラスです。

便秘改善や美容効果も期待できるだけでなく、高齢者の免疫力の低下も改善にも役立ちます。

カロリーだって、約45kcalですからヘルシーな食べ物です。

注目すべきは、たんぱく質を分解するアクチニジンという成分です。

肉類を食べた後に摂ると消化を助けてくれます。

ある地方では、すき焼きに入れて、牛肉を柔らかく美味しく食べているとの事です。

ビタミンCとビタミンEを摂取する事で、身体が酸化するのを防ぎ、コレステロールを吸着・排泄する働きもあるキウイをどんどん食べて健康を目指しましょう。
外国からフルーツを輸入していると聞くと、なんとなくその安全性が気になるものです。

ですから、キウイの場合も市場に出回るまでには、徹底した検査が行われます。

たとえば、ニュージーランドからの輸入においては、船に積み込まれる前に、政府の検査を受け合格したものだけが、植物検疫証明書が発行されて、日本への輸出が認められます。

キウイの安全への取り組みは、日本の港に到着した時から始まります。

植物防疫所での輸入されたキウイフルーツに、病害虫が付着していないか調べる「植物防疫法」に基づく検査が行われます。

この検査に合格したら、厚生労働省の検疫所で食品衛生法に基づく検査が行われます。

輸入を許可する為に、提出された輸入に関する書類の審査を行います。

食品衛生法に違反していなければ、輸入に許可をだします。

ところが、安全に関してはもっと徹底的に検査を行う必要があるので、残留農薬の検査をします。

過去には、検疫所で害虫が発見された事や、ニュージーランド産キウイフルーツの一部から臭素が検出されたこともありました。

「ポジティブリスト制度」が平成18年から導入されて以来、残留農薬の基準を強化し厳しい目を向けています。

過去に問題のなかったキウイフルーツについては、一定量を抜き取るモニタリング検査が行われます。

毎日食べ続けても大丈夫な量の残留農薬に達している(ADI)食物だけが安心して食べられるものを基準としています。

このように安全性は、ADIの80%を超えない範囲に設定されていて、輸入時には国の検疫所で、流通してからは地方自治体の検査によって常に確認されています。
キウイは、樹上では熟さず、収穫後に追熟して、初めて甘く美味しくなるは、ご存知の方も多いと思います。

買ったキウイが硬い場合は、まだ熟していないので常温で数日間おいて追熟させます。

常温といっても16℃~20℃位のところが適しています。

果実は凍結温度に近い状態で保存するのが、長期間の保存に適しています。

キウイの凍結温度は、-1.7℃ですので、0℃~1℃位を目安に貯蔵します。

1ヶ月くらいなら、10℃以下の冷温な物置などでも貯蔵できます。 

例えば、3~5℃で4~5ヶ月、1~2℃では6~7ヶ月は貯蔵可能です。

長期保存するなら、そのまま保存すると水分が飛んでしまいますので、ビニール袋に入れて乾燥を防ぎます。

只、一般家庭では、何ヶ月も貯蔵しなければならないほど、多量のキウイがある事は、あまりないと思いますので、5℃前後が確保できる冷蔵庫での貯蔵が好ましいと思います。

注意しなければいけないのは、密封する際に、他の果物が混入する事で、キウイの貯蔵環境に影響を及ぼし、美味しくとならないこともあるので注意しましょう。

又、密封する袋は大きな袋にいっぺんにいれるのではなくて、小さな袋に小分けして入れる方がいいでしょう。
日本にはアメリカ産、オーストラリア産、中国産、フィリピン産などの外国の食べものがたくさん輸入されて、スーパーや八百屋さんに並んでいます。

さわやかな甘さが魅力で人気の高いキウイフルーツも、殆どが外国からの輸入品です。

その多くはニュージーランド産で4~11月にかけて、店頭に並びます。

輸入品の9割はニュージーランドで、年間7万トン近くが輸入されています。

農産物づくりには向く気候や土がありますが、ニュージーランドは一年中、気候が温暖な為、早く出荷できているようです。

チリ産が3~9月、国内産も12月~4月頃には並んでいます。

その他に、アメリカ、中国からも輸入されています。

しかし、何故外国からこんなに輸入しているのでしょう。

それは、ニュージーランド産のキウイは、品質も良く値段も安いからです。

それに、日本と違って機械を使って、広い農地で大量につくるから安くなります。

最近はゴールデンキウイや、ベビーキウイ等、色々な品種も増え、ますます注目が集まっています。

ちなみに、輸入国として一位なのですが、生産国としてはイタリアに次いで2位、日本は8位です。

狭い土地ながら、日本もけっこうがんばっていますね。