2012年 11月

外国からフルーツを輸入していると聞くと、なんとなくその安全性が気になるものです。

ですから、キウイの場合も市場に出回るまでには、徹底した検査が行われます。

たとえば、ニュージーランドからの輸入においては、船に積み込まれる前に、政府の検査を受け合格したものだけが、植物検疫証明書が発行されて、日本への輸出が認められます。

キウイの安全への取り組みは、日本の港に到着した時から始まります。

植物防疫所での輸入されたキウイフルーツに、病害虫が付着していないか調べる「植物防疫法」に基づく検査が行われます。

この検査に合格したら、厚生労働省の検疫所で食品衛生法に基づく検査が行われます。

輸入を許可する為に、提出された輸入に関する書類の審査を行います。

食品衛生法に違反していなければ、輸入に許可をだします。

ところが、安全に関してはもっと徹底的に検査を行う必要があるので、残留農薬の検査をします。

過去には、検疫所で害虫が発見された事や、ニュージーランド産キウイフルーツの一部から臭素が検出されたこともありました。

「ポジティブリスト制度」が平成18年から導入されて以来、残留農薬の基準を強化し厳しい目を向けています。

過去に問題のなかったキウイフルーツについては、一定量を抜き取るモニタリング検査が行われます。

毎日食べ続けても大丈夫な量の残留農薬に達している(ADI)食物だけが安心して食べられるものを基準としています。

このように安全性は、ADIの80%を超えない範囲に設定されていて、輸入時には国の検疫所で、流通してからは地方自治体の検査によって常に確認されています。
りんごよりも小さいが、リンゴなのかキウイなのか、よく解らない、リンゴのような形をしているキウイです。

正式には魁蜜(かいみつ)といい、アクチニジンを多く含みます。

静岡市から出荷されている新品種で、キウイの中では一番糖度が高いとされています。

未熟なうちは果肉が緑色ですが、熟すと黄色になってきます。

しかし、ちゃんと熟さないうちに食べると、酸味も甘みもない味で美味しく食べられない、食べごろの難しい果物です。

果芯の白い部分が通常のキウイよりも大きめで、1個140g~170g、酸味は控えめ、甘くとても美味しいキウイです。

日本では、1990年代になって栽培されはじめましたが、出荷はまだ多くありません。

見た目はアップルで、味はパイナップルとバナナをミックスしたようで、酸味と甘みのバランスはよいです。

ビタミンCやEが豊富な上、酸っぱさが苦手な人でも食べられる品種です。

只、スーパーでもあまり、見かける事はありませんので、見かけたらぜひ食べてみましょう。

表面にうぶ毛がないので皮を剥くのが楽です。
通常、私達がスーパーや果物店で売られているキウイのほとんどがこのヘイワード(Actinidia deliciosa)という品種です。

5月~12月頃は、ニュージーランドからの輸入物で、11月~翌年5月頃は国産が出回ります。

ですから、1年中見かける事ができます。

重さは100g前後、果皮は薄茶色、うぶ毛に覆われ、果肉は熟すときれいな緑色になります。

食すと種のプチプチ感がさわやかさを感じさせます。

半分に切りスプーンで掬ってたべてもよし、ヨーグルトであえてもよし、サラダ・ジャム・ジュースと使い道は色々です。

ヘイワードは甘みと酸味のバランスがよいだけでなく、貯蔵性などにも優れているキウイです。

0度で保存すれば、収穫後半年位は保存できるので、必要に応じて出荷できるという、経済性にも優れています。  

果肉は、薄緑色で他の品種のキウイと比べると華やかさに欠けるのが欠点です。

今のところ、国内生産量は愛媛県が一番です。

最近は、その育てやすさから、ベランダで鉢植えを楽しむご家庭も増えています。

緑を眺め、実を楽しむ、植えるのなら春がいいそうですよ。
長さが2?3cm前後の何ともかわいい大きさのキウイです。

主にアメリカやチリから輸入され通称‘ベビーキウイ’‘ミニキウイ’と呼ばれています。

果皮は緑色でうぶ毛がなく、とても薄いのでそのまま食べることができ、スプーンや包丁なども使わず、手軽で美味しく、ゴミが出ないというのが売りです。

皮に多少の酸味がありますので、ブドウのような食べ方が好まれます。

日本では ‘Ananasnaya (Anna)’「サルナシ」に分類されます。

糖度は 15~19%もあり、酸味が少ないため、コクのある甘さで、果実の表面にシワが入る位が食べごろです。

アクチニジンも豊富で、肉食後のデザートとして、消化促進効果があります。

ビタミンC含量は約70mg/100gで、一般に出回っているヘイワードと同程度です。

キウイフルーツの何倍ものルテインやベータカロテンを含んでいて、抗酸化作用もあり、生活習慣病予防効果が期待できます。

目の健康を保つために最適ですね。

只、日持ちが悪いので、早めに食べる事をおすすめします。

使い方としては、濃緑色の果肉がデザートなどのアクセントに、又果実酒やジャムにしても良いそうです。
香粋(こうすい)は、とっても小さな一口サイズの、香川県オリジナルのキウイフルーツです。

重さは40g無毛なので、小ささの中にぎゅっと詰まった濃厚な食味(糖度が18%程度と極甘い)といつでも食べられる手軽さが魅力です。

香川県農業試験場府中分場で一才サルナシにキウイフルーツ「マツア」を交配して、育成されたもので1999年9月に登録されました。

見た目は、キウイフルーツですが、分類は「サルナシ」に属します。

「香緑」、「讃緑ゴールド」、「香粋」と共に、「キウイフルーツ3兄弟」として香川の新しいオリジナル商品になりました。

糖度が高く、適度に酸味があり、皮はまったくの無毛で果肉色は緑色です。 

通常サルナシはアクチニジンを豊富に含んでいるのですが、香粋は、わずかしか含みません。

又、キウイは食べると一瞬、舌にぴりっと来る刺激が嫌なものですが、香粋はこのアクチニジンがほとんど無いので刺激が少ないです。

酸味も少ないので、小さな子供たちにも受け入れやすいフルーツです。
レインボーレッド、中国系品種から育成された新品種で、赤い虹を思わせるキウイです。

何故、このような名前がつけられているのか、半分に切ってみると解ります。

成熟すると、薄い黄色になり、黄緑色の果肉の中央に赤い色素が入り、黄緑色と赤色とのコントラストがとてもキレイです。

この赤い色素は、イチゴと同じアントシアニン系の色素で、サイズはやや小ぶりで産毛がなく、酸味が少なくて甘いのが特徴です。

レインボーレッドは、静岡県の小林氏によって育成されたもので、国際的には、Hongyang (Red sun) として認識されています。

収穫時期は10月頃からで、静岡県や福岡県で栽培されています。

レインボーレッドと似たものに「紅鮮」という品種があります。

果肉の中心部が赤色なので、攪拌してピューレにしてジャムを作ったり、ケーキのデコレーションに使ったりと華やかさを生かしたレシピに利用できます。

又、キウイフルーツはゼリーにはならないと言われていますが、アクチニジンをわずかしか含ず、ゼリーを作ることができます。

糖度も大変高く甘味が強く、ビタミンCも豊富です。

目をひく赤い色の成分はというと、目に良いとされるアントシアニンの一種ではないかと考えられています。

もう一つの特徴として、キウイは常温でないと追熟しないのですが、レインボーレッドは冷蔵庫の中でも熟し、産毛がないので、細かい毛が果肉につく心配がなく、皮を剥くのが楽です。
香緑を母親にもつ貴公子というところでしょうか。

讃緑(サンリョク)は、大きさは75~85gとやや小さめですが、先端のとがった砲弾形でスマートな形をしています。

糖度が17度前後と高く、ほどよい酸味と濃厚な味で、味もサイズも上品さが魅力のキウイです。

香川県農業試験場府中分場で、香緑に中国系の品種の花粉を交配して育成した品種で、1999年(平成11年)に品種登録された、香川県オリジナルのキウイフルーツです。

表面の毛は、短く見た目はツルリとして果肉は黄緑色です。

開花するのは5月中旬、冷凍貯蔵した花粉を利用します。

収穫期は10月下旬~11月上旬と他の品種に比べてやや早いのですが、生産量が少ないため、店頭ではあまり見かけることはない「幻のキウイ」です。

収穫後の追熟には2~3週間程度必要です。

糖度17~18度と甘みが強い反面、クエン酸0.5~0.6%と程よい酸味があり、歯ごたえはシャキシャキとして他のキウイよりあります。

コクのある甘さが魅力の「香緑」が女性向きなら、さっぱりとした味「讃緑」は男性向きです。
キウイフルーツが元々、「サルナシ」から品種改良されたものです。

ところが、品種改良せずに偶然生まれたものもあります。

それが「香緑」で、親はヘイワード種という普通のキウイフルーツなのですが、なぜか鳶が鷹を産んだようなすばらしい品種が生まれました。

こぼれ種が偶然芽を出し、育ってみたらヘイワードとは見た目も味も違う物だったという事です。

特徴は、大きく160g(ヘイワードは100g)、とても甘く、糖度が17度~20度もあるということです。

これは、育った環境にもあるようで、普通は、1㎡あたり25~30個収穫するように実を間引きます。

ところが、香緑は15~20個にする為、栄養の取り合いにならず、大きくなっていきます。

こんなに大事に育てられているとは、まさにキウイ界のセレブです。

それだけではありません。

ビタミンC含有量はイチゴと同じほどのトップクラス、又ビタミンEやカリウム、食物繊維も豊富です。

香緑の名前の由来は、香川県の「香」と「果肉の色が濃い緑」というころからきています。

酸味が苦手な人には、お奨めのキウイです。
温暖な気候の香川県で開発された品種で、アップルキウイに中国系キウイをかけ合わせたものです。

品種改良が進められたのは、1990年で開発を進めた結果、果実表面の毛は、ヘイワードや香緑と比べて少なく、横広の長楕円形大きさは160~180g普通のキウイフルーツよりも2回りほど大きい「さぬきゴールド」が出来上がりました。

濃黄色の果肉が特徴で、糖度は16~18%で風味も良く、平成17年に「さぬきゴールド」と名付けられ、香川県のオリジナル品種として登録されました。

イチゴの糖度はが、0~13%前後ということなので、さぬきゴールドはイチゴよりも甘いという事になります。

何よりも、同じキウイでも生育のスピードにさがありました。

例えば香緑と比べてみても、開花が10日前後早く、収穫時期も10月初旬からと香緑に比べて1ヶ月ほど早く収穫ができます。

一足早く大きくなるという事は、出荷量にも関わってきます。

正に、さぬきゴールドは、農家の期待の星だったようです。

ところで、香川のキウイ農場では、袋をかけているのを見かけます。

それは、果皮の色が関係しています。

果肉の色を鮮やかに見せるには、果皮の色が濃くした方が良いとの考えから、それぞれ遮光率の違う袋をかけ試験を行っているそうです。

美味しく食べられるまでには、農家さんの弛まぬ努力のお陰があるからですね。
さわやかな甘さとほんのりとした酸っぱさが人気のキウイフルーツですが、最も日本人好みの甘さに負わせているのがゴールドキウイフルーツです。

ニュージーランド産のキウイを輸入している、ゼスプリ・インターナショナル・ジャパン社によって開発されたものです。

そもそも、キウイには100年の歴史がありますが、日本に輸入されたのは50年ほど前です。

それまでのものは、中が緑色でヘイワード種でした。

酸味と甘味のバランスも良く、ジューシーなものです。

しかし、大きさの割には値段も高く、そうそう口にできるものではありませんでした。

そこで、日本に輸出しているゼスプリ社が、日本人の味覚に合うよう甘味が強く、誰にでも食べやすい味にする為、様々な研究を重ねて作り上げ、1999年に輸入したのがはじまりです。

メディアの効果もあって人気となり、一年を通して手後な価格で店頭に並ぶポピュラーな果物となりました。

ゴールドキウイフルーツの特徴は、果肉はきれいな黄色で糖度16度から18度もあります。

もちろん、糖度だけが、果物の美味しさを決めるわけではありませんので、栄養価や成分を考慮して改良したものが、ゼスプリとして店頭にならんでいます。